トラクターに使う燃料の種類
トラクターを正しく使う上で、まず確認すべきなのが燃料の種類です。
多くのトラクターはディーゼルエンジンを搭載しており、燃料は軽油が基本です。日本国内で販売されている中型・大型トラクターはほとんどが軽油仕様と考えてよいでしょう。
一方で、小型の耕運機や管理機などはガソリンエンジンを採用している場合があります。中には混合燃料(ガソリン+オイル)を必要とする小型農機も存在するため、必ず取扱説明書や燃料キャップの表示を確認してから給油することが重要です。
もし燃料を間違えると、エンジンの焼き付きや故障につながり、修理費用が高額になる恐れがあります。特に軽油とガソリンを取り違えるミスは多いため、携行缶の色分け(軽油=黄色、ガソリン=赤色)で管理することをおすすめします。
トラクターの給油手順
トラクターに給油するときは、以下の手順を守ることで安全かつ効率的に作業できます。
1. エンジンを停止し、周囲を確認する
給油中は必ずエンジンを停止し、周囲に火気やタバコがないことを確認します。屋外または換気の良い場所で作業しましょう。
2. 給油口キャップを開ける
土やホコリが燃料タンク内に入らないよう注意しながらキャップを外します。キャップ周辺に泥やゴミが付着している場合は、事前に拭き取っておくと安心です。
3. 携行缶から燃料を注ぐ
軽油を入れる場合は消防法適合の黄色い携行缶を使用します。給油ノズルや漏斗を使えば、燃料をこぼさずスムーズに給油できます。
4. 適量で止める
満タンまで入れすぎると走行中に揺れで燃料が漏れる可能性があります。8〜9割程度を目安にしておくと安全です。
5. キャップをしっかり締める
給油後はキャップを確実に締め、燃料漏れを防ぎます。
6. こぼれた燃料を拭き取る
タンク周辺に燃料がこぼれた場合は、ウエスや布でしっかり拭き取り、火災リスクをなくしましょう。
給油時の注意点
トラクター給油で特に気をつけたいポイントを整理します。
- 燃料の種類を絶対に間違えない
ガソリン仕様の農機に軽油を入れる、またはその逆をすると故障の原因になります。 - 給油は必ず屋外か換気の良い場所で行う
燃料は揮発性があるため、密閉空間での給油は危険です。 - 携行缶は必ず消防法適合品を使う
ホームセンターや農機具店で販売されている赤(ガソリン用)・黄色(軽油用)の金属缶が基本です。 - 静電気に注意する
乾燥する季節は特に静電気が発生しやすく、引火の危険があります。給油前に金属部分に触れて放電しておくと安心です。
燃料の保管と管理
燃料は給油時だけでなく、保管方法にも注意が必要です。
- 直射日光を避け、涼しく換気の良い場所に保管する
- 携行缶は必ず密閉し、倒れないように固定する
- 長期保管は避ける(燃料は時間が経つと劣化し、エンジン不調の原因になる)
- 古い燃料は使わず処分する(産廃処理業者やガソリンスタンドで引き取り可能な場合あり)
燃料は「買い置きしすぎないこと」も大切です。必要量をその都度購入し、早めに使い切るよう心がけましょう。
よくある給油トラブルと対策
燃料を間違えて入れた
軽油仕様のトラクターにガソリンを入れてしまうと、エンジン不調や故障の原因になります。誤給油に気づいたら絶対にエンジンをかけず、すぐに業者に連絡し燃料を抜き取りましょう。
燃料をこぼしてしまった
少量ならウエスで拭き取り、必ず換気を確保。大量にこぼした場合は吸着材を使用し、処理後は廃棄ルールに従って処理します。
劣化した燃料を使用してしまった
長期間保管した燃料は劣化しており、黒煙や始動不良の原因になります。保管から半年以上経った燃料は使用を避けましょう。
安全に給油するために
トラクターは農作業に欠かせない存在ですが、燃料の取り扱いを誤ると大きな事故につながります。
- 燃料の種類を必ず確認する
- 給油手順を守る
- 燃料の保管・管理を徹底する
この3つを意識することで、安心してトラクターを使い続けることができます。
毎日の作業を安全に進めるためにも、給油を単なる作業と考えず、点検・管理の一部として取り組むことが大切です。
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